あれこれ(3月周辺)

諸事情でバイトを辞めることになった。別に何かをしたわけではなく、当然の成り行きで。そこそこの年数働いたため何か感傷じみたものが込み上げるかと思いきやそうでもなく、最後の出勤日も普通に勤務して普通に退勤した。ついでにタイムカードを切り忘れたので、後から店長に言った。最後まで締まりがなく曖昧で何もかも宙に浮いており、しかしまあこんなものだろうなと勝手に納得。常に急いているくせして詰めが甘く、舐め腐り性質を持つ人間として……。

最終勤務日、同じシフトに入ったアルバイトの人に「私、今日最後なんですよ笑」が言えなかった。これがなんでかわからない。浅く自分を考えれば、「わざわざそんなことを言っても特に会話が弾まないから」という理由が真っ先に浮かぶが、別にその人と勤務中何か身のある雑談をした経験などないのだから、いつも通り身のない話題のひとつとして己の離職の話を持ち出せばいい。というかそうするべきだろ普通に。他にも「気を遣わせたら申し訳ないから」などあるかもしれないが、それは一体どういう気なんだ。
じゃあもう一段だけ深く考えたら何かというと、自分の期待が外れるのが怖かったというのがある。「私、今日最後なんですよ笑」の後に返ってくる反応が思い通りじゃなかったら嫌という。やかましいよ本当に。

 

 

 

 

 

 

 

 

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↑見ました

 

 

犬が最カワ。

 

人が持つある性質やバックボーンは必ずしもある行為に結びつくわけではない。状況という客観的証拠が誰にも担保されていない場合、人々の知識・経験・偏見が性質と行為を結びつけ、解釈し、行為を物語化していく(それも個人個人が納得できるレベルの物語)(そりゃ人によって違う)。そして人によって作られた解釈や物語は決して正しいとは限らないという話として受け取った。物語によって人々が行為を肉付けし固める時、そこにいるはずの真実は何処か遠いところで一人でいて、それは誰にもわからない。そういうものだよなあと思う。それで、結局は真実がわからないので変に疑念は残る。居心地が悪いですという。

解釈って本当に嫌ですよね(謎同調)。幻惑に近い。この映画では裁判や聴取の中でも「思う」とか「だろう」とか「はずだ」みたいな推定・推測の言葉が多用されている。それらの言葉と解釈がぶつかったり擦り合わせられたり検証されたりして、裁判は進んでいく。正しくて論理的に見える幻を決めていく。まあこういう事件の裁判ってそういうものですねと腑に落ちる部分もある。

話をずらして視点を自分に寄せてみると、私はこの類の解釈バトルを人生で何度やるんだろうとうんざりするところもある。
解釈という言葉は日常的に出てくるし、なんなら解釈と銘打たれていなくても日常会話の中でこの映画における裁判と似たようなことは起きていると思う。人の噂話とかだとより顕著。その人の行為を議題に上げて、色々と解釈を付けてそれらしい物語を作るみたいな。仕事の場合だと解釈=意見になって、ファイトしなければいけなくなるのかもしれない。
いずれにせよ、その場合の解釈やそれによって形作られた物語はあくまでも幻であり、実際の行為の目撃もしくは実現によってしか真実として証明はされない。これが本当に困る。別に真実絶対論者とかではない。うっすらとした感覚の話。
しかし解釈や意見、物語をぶつけ合うのはまさしく対話であり、あまりにも壮大だが、それをするのは自分と社会と宇宙のためでもあると感じている。というかそう考えないとちょっと私は尻込みしてしまう。張り切っていきましょう、レッツ対話!

好きな映画だった、ヴァンサンかっこよすぎるし

あと時々フランス語リスニングに挑戦していたが、九割聞き取れなかった。つまりほぼ聞き取り不可能。精進。

 

 

 

 

 

 

 

最近、百鬼夜行シリーズ? 京極堂シリーズ? を読んでいる。読み始めたきっかけはこの作品の二次創作が目に入ったから。私は邪な理由で本を買う。家にある本の七割くらいがそう。最初の二冊まで読んで積んでいたものを去年の暮れあたりから再開し、面白いので次々読み勧めている。今は宴の始末をしています。

一冊一冊につきテーマが明確化されてるので理解しやすいし、登場人物の性質も京極堂の喋りも好きなので楽しい楽しいと読んではいるものの、ふとした時に京極夏彦の異様なまでの整理癖というか操りスキルに怖くなることがある。あまりにもテーマが明確化されすぎていて。そしてそれを登場人物たちと物語が一切の狂いなく体現しすぎていて。全部京極夏彦の掌の上なんだろうなと思うと「あの、勘弁してください」になる。ビビるよ申し訳ないけど。もともと京極夏彦は本の形態に合わせて文章がページを跨がないようにいちいち調整しているという話は聞いていて、すごwと笑っていたが、最近書評とかでも緻密に段落や文章を調節しているらしいと知り、何なの? 怖い本当に。

宴の始末を終えたら、とりあえず一旦百鬼夜行シリーズは中断しようと思っている。京極夏彦への畏敬からではなく、単純にここ数ヶ月他の本をほぼ読んでいないから。

榎木津礼二郎さん、慈行さん、織作茜さん……

好きです。

 

 

ミュージカルの京極堂!?!?!?!?!?!?

 

natalie.mu

 

関口を箱根ダブルデートに誘うシーンで京極堂が歌ったりするのかな

炎に包まれながら歌う慈行さん